全国大会

第34回大会(2021年)

日程:2021年11月20日(土)
会場:中央大学多摩キャンパス中央大学多摩3号館3階 3205教室
〒192-0393 東京都八王子市東中野 742-1
Tel. 042-674-2210
中迫俊逸(第 34 回日本交渉学会全国大会委員長、中央大学教授)
大会参加費:無料

【大会参加者へのご案内】
●2021年度第34回日本交渉学会全国大会はWebexで開催します。プログラムに書かれているスケジュールの5分前から、お知らせするURLにアクセスしてください。セキュリティー確保のため、参加URLはEメールで会員各位に告知いたします。
●コロナ感染対策のため、多摩キャンパス会場へ入場制限を取らせていただきます。入構できるのは、会長、副会長および常務理事の中の希望者のみとさせていただきます。上記に該当する希望者はPCおよびマイク付きヘッドセットを必ずご持参下さい。

【当日の問い合わせ】
●大会当日は全国大会の進行を行っておりますので、メール・電話等の応答はできかねます。ご理解くださいますよう、よろしくお願いします。

【2021年会費に関するお知らせ】
コロナ禍のため、2021年度年会費は請求しないことと日本交渉学会常務理事会で決定させていただきました。

【アクセス】

当日、会場へ入構できるのは、基調講演者、研究発表者、会長、副会長および常務理事の中の希望者のみとさせていただきます。なお、入構希望者で上記に該当される方は、各自マイク付きのヘッドセットを必ずご持参ください。

多摩モノレール『中央大学・明星大学駅』直結 徒歩0分
※モノレールは下記の駅から接続しております。
京王動物園線『多摩動物公園駅』から徒歩約10分
京王相模原線『京王多摩センター駅』下車、バス(13番バス停)で約12分
小田急多摩線『小田急多摩センター駅』下車、バス(13番バス停)で約12分
JR 中央線『豊田駅』下車、バス(南口のりば)で約15分

第34回日本交渉学会全国大会プログラム

2021年11月20日(土)
9:30-10:40 常務会
11:00-11:50 理事会
12:50-12:55 開会の辞:中迫俊逸(本学会会長、全国大会委員長、中央大学教授)
12:55-13:30 総会
13:35-14:05 研究発表(1)(司会:中迫俊逸)
『ICT利用による交渉学の体験型教育への展望』熊田 聖(明治大学情報コミュニケーション学部、本学会理事)
発表要旨: ニューノーマル社会に向け、従来は教室内において対面で行われてきた体験型交渉教育を、ICTを活用し個人で体験する手法に変更する際の課題について検討する。具体的に取り上げる体験型教育では、最初に教室内の座席位置の違いにより、立場の有利不利の感覚を実感する。次に、体験について振り返ることにより、不利な立場であるという認識を持ちながらも、不利な立場を改善するために、他者に対して交渉を持ち掛ける場面での感情を言語化する。結果として、有利・不利それぞれの立場に置かれた交渉者の心理を認識し、交渉に必要な要素について学ぶことを学習目的としている。ニューノーマル社会における交渉教育では、体験部分と振り返り部分の全てをデジタル環境に移行し、個人で実施できるような形で提供する必要がでてくる。そこでまず初めに、従来から行われている体験型教育の形を変えずにデジタル環境で実施し、その際の課題を明らかにする。その上で、ICTを活用した場合にも学習効果があるように改善を試みることにより、体験型教育の学習効果をニューノーマル社会においても提案できるようにしたいと考えている。
14:10-14:40 研究発表(2)(司会:中迫俊逸)
『軍隊組織に於ける上位者との対等交渉の可能性』加納榮吉郎(本学会会員、(株)神鋼エンジニアリング&メンテナンス エネルギー事業部 企画管理部長)
発表要旨: 企業組織に比べてより上下の統制が要求される軍事組織に於いてMeyersonの唱える”tempered radicals”が、Kolbが理論化した“n-negotiation”を駆使して、最終目的に適う建設的な代替提案により、組織全体を軌道修正することができるのか。
太平洋戦争末期の帝国海軍で、戦場で数多くの死に直面した一士官の視点から、特攻に替わるべき米軍への反撃手段として、夜襲隊の編成に情熱を持ち続け、何度も挑戦と挫折を繰り返しながら、遂にはそれを総勢、数百人もの「特攻しない攻撃部隊」にまで発展させた、故美濃部正氏に焦点を当てる。
その軌跡を交渉学の切り口から分析することにより、「”tempered radicals”דn-negotiation”×代替提案による所属組織の軌道修正」という仮説の検証を試みる。
14:45-15:15 研究発表(3)(司会:中迫俊逸)
『QOLと交渉技能』篠原美登里(共愛学園前橋国際大学、本学会理事)
発表要旨: QOL(Quality of Life 生活の質あるいは生の充実度)を高め、それを維持することは誰しもが願うところである。それを目的とした個々の取り組みの中には、交渉技能が求められるものも多く含まれる。本発表では、QOLの概念と尺度を概観し、その中から交渉技能の獲得によって向上が期待できるいくつかの項目を取り上げ、具体的な方策を検討する。その中で、ウェルビーイング(well-being)やレジリエンス(resilience)等の概念との関連にも言及する。
15:25-16:55 基調講演(司会:東川達三(本学会常務理事・関西支部長、新樹グローバル・アイピー特許業務法人GM))
基調講演演目:「交渉を『コミュニケーション』として探求する――相互行為分析の交渉学への寄与」
基調講演者:北村隆憲(東海大学法学部教授)
基調講演者略歴:東海大学教授。日本交渉学会会員。専門分野:法社会学,医療社会学.特に,様々な法的・医療的場面(裁判員評議,調停,法廷尋問,法律相談,法曹教育,高齢者看護など)におけるコミュニケーションの研究。
最近の論文:「裁判員評議における発話行為の「類型」と「位置」-「法と言語」研究への相互行為分析からの寄与」『法と言語』5巻2020年。「裁判官のアイデンティティと実践の諸形式」『法社会学』85号2019年.「調停のコミュニケーションを分析する――非難の連鎖はいかに「管理」されるか?」東海法学56号2019年など。
編著書:Une introduction aux cultures juridiques non occidentales. (Bruylant, Bruxelles. 1998),『看護におけるコミュニケーション・パラダイムの転換』(関東学院大学出版会2018年).訳書:『法廷における“現実”の構築―物語としての裁判』(日本評論社, 2007年),『患者参加の質的研究』(医学書院,2013年)『法のエスノメソドロジー—「生ける秩序」の法社会学』(新曜社,近刊)
講演概要:
交渉は,複数の関係者の間で,何らかの社会生活上のトラブル/課題/利害を,主として対話を通じて調整/解決する試みといえる。したがって,交渉は,人と人との間での「やりとり=コミュニケーション」により行われるものであり,「交渉を『コミュニケーション』として探求する」という本講演のタイトルは,あまりにも自明な事実を述べるに過ぎないように思われるかもしれない。しかし,時として「あまりにも自明な事実」については,目の前にあるとしてもほとんど「気が付かない」ことがある。つまり,交渉が「コミュニケーション」であることが自明視されることによって,交渉の「コミュニケーション」自体を固有の研究トピックとして検討する可能性は閉ざされてしまっていたのである。 
例えば,ミニマムな形式として,一方当事者の「オファー」に対して他方当事者の「受諾/拒絶/対抗オファー(など)」が観察されるとき,そこには「交渉」が存在すると言ってよいだろう。また,交渉学では,「オファー」を自分が先に行うべきか相手のそれを待つべきか,といった問題が議論されることがある。しかし,そもそも,ある発言が当事者にとって「オファー」や「対抗オファー」としてコミュニケーションの中で理解可能となるのはいかにしてなのだろうか。こうした問いに答えるためには,そもそも「オファー」がそれとして理解可能となる「コミュニケーション」のメカニズムが探求されなければならない。
「コミュニケーション」は,単なる良い言葉遣いや接遇のテクニックに過ぎないものと理解されることもある。しかし,本講演では,社会学に由来する「エスノメソドロジーと会話分析」(「相互行為分析」)という社会的行為と社会秩序への固有の探求アプローチに依拠しながら,「コミュニケーション」,より正確には,「相互行為としての会話(talk-in-interaction)」というものを,一つ一つの行為としての発言が文脈に即しつつ結びついていく行為の連鎖(シークエンス)を通じて「相互理解(間主観性)」を築きあげながら「社会的現実」の意味を協働的に生み出していく社会的プロセスとして扱う。こうした考え方に基づいて,交渉の比較的単純な形式としての「(米国の)有罪答弁取引交渉」や,「不動産取引交渉」などの実際の会話の詳細な書き起こしを分析することを通じて,交渉について従来ほとんど検討されることのなかった,「コミュニケーションとしての交渉」という視角からの交渉研究の可能性について検討する。
16:55-17:00 閉会の辞(中迫俊逸)